子供がいない夫婦、何をすべき?

お子さんのいない60代のE様ご夫妻。ご主人の病気をきっかけに、お二人の老後についての漠然とした不安を感じ、ご相談にいらっしゃいました。
今回は、お子さんのいないご夫婦の『生前対策』として何をすべきか、というお話しです。

1.遺言をお互いに書き合う


まずは、もしものことがあっても困らないように、「遺言」を相互に書いておくことをおすすめしました。

記載内容のポイントは以下の2つです。

1)「自分が死んだら全財産を配偶者に相続させる」

お子さんのいない方がお亡くなりになった場合、その法定相続人は、配偶者と被相続人の①親、又は②兄弟(若しくは甥・姪)となり、残された方は、関係性が密でない義理の両親や兄弟達と遺産分割協議をしなければなりません。

遺言には、上記のような負担を軽減するにとどまらず、故人の親が相続人となった場合の「認知症等により遺産分割協議ができないというリスク」を回避する狙いもあります。

2)「ご夫婦双方が亡くなった後の受遺者を決めておく」

上記の通り、ご夫婦の内先に亡くなった方の遺産は配偶者が相続しますが、その後二次相続の際に、E様の甥(ご主人の弟の長男)が遺産を取得する旨についても記載して頂きました。

事前に、ご主人の弟ご家族と親族会議を開き、遺言記載内容を説明するとともに、認知症等ご夫婦だけでの生活が立ちゆかなくなった場合に、甥御さんのサポートが受けられるよう話し合って頂きました。

2.家族信託契約の締結


次に、お二人の老後に備え、甥御さんがサポートしやすいように「家族信託」契約をおすすめしました。

E様の場合には、ご夫婦の保有財産の大半が、ご主人様名義となっていましたので、こちらについてはご夫婦それぞれとせず、ご主人様の保有財産についてのみ、甥御さんと信託契約を締結して頂きました。

ご主人様にもしものことがあった場合には、受益権(財産の真の権利者)が奥様に移るという形にし、ご主人様がお亡くなりなった後も有効となるよう配慮しました。

いざ甥御さんのサポートが必要になった時、認知症等により資産が凍結されてしまっては、甥御さんに迷惑をかけてしまうこととなります。

認知症等による資産凍結対策として有効な「家族信託」を組成することで、これを回避することとしました。

あとがき


ご夫婦で公証役場におこし頂き、「遺言」と「家族信託」の作成が完了した際に、

E様より「これでやっと、安心して暮らせる。」とのお言葉を頂きました。


お子さんのいないご夫婦の「老い支度」に関するお悩み・ご不安・お困りごと等をお持ちの方は、この分野に精通した弊事務所までお気軽にご相談ください。

千葉市美浜区 行政書士キズナ法務事務所《絆コンサルティング》