遺言信託とは(注:銀行のそれとは別物です)

「遺言信託」とは、遺言書の中で「信託」という財産管理の仕組みを設定することをいいます。

単に遺産を遺すだけではなく、財産管理の仕組みごと遺す手法です。

最近一般の方にも認知されるようになってきた「家族信託」が委託者と受益者の契約により設定されるのに対し、「遺言書による設定」に置き換わったもの、と言えば理解しやすいでしょうか。

遺言信託が有効なケース

たとえば、軽度認知症の配偶者や障害のある子に遺産を遺す場合、受け取った本人がその財産を有効に管理できないという問題があります。

このような場合、その認知症配偶者や障害のある子に代わって、家族が「受託者」として財産管理と金銭給付を担うというものです。

これにより、何かと負担の多い成年後見制度を利用しなくても本人の生活を支えることができる可能性があります。

銀行の「遺言信託サービス」とは全く別の概念

まぎらわしいものとして、各種銀行がよく取り扱っている「遺言信託サービス」というものがあります。

注意しないといけないのは、銀行のそれはただの商品名であり、信託法に基づく「遺言信託」とは別物ということです。(耳障りのよい名称ということで各銀行に広まったものと思われます)。

通常、銀行は遺言書作成と遺言執行をセットにして、「遺言信託サービス」と称して販売しています。

一般に士業と異なり、銀行は遺言書作成だけという仕事の受け方はしません(本業の融資業務で苦境に立っているところが多く、そのために手数料ビジネスを始めたというのが実情で、遺言執行と併せたボリュームでないと商売上のうま味がないと考えているようです)。

実際私も遺言執行までお受けすることもありますので、士業の方がお客様のニーズに合わせてより柔軟な対応ができるということが言えると思います(士業は、遺言書作成のみ、遺言書作成+執行のセット、どちらも対応可能)。

相続の専門家に相談を

銀行にしろ士業にしろ「相続業務だけに特化」して仕事をしている人は意外と少ないです。

一方、相続業務は「人それぞれ」であり、あらゆるケースに対応するためには相応の経験が必要です。

相続の専門家かどうかを見極め、ご相談されることをおすすめします。

千葉市美浜区 行政書士キズナ法務事務所《絆コンサルティング》