土地の相続 どうすれば!?
いわゆる「争続」になりやすいケースとして、遺産に土地が含まれているパターンがあります。
土地は高額になりやすく、現金・預貯金のように単純に分割することが困難です。
また、評価基準をどうするかなど、なかなかすっきりといかないのです。
今回は、遺産のなかに土地が含まれている時の相続対策についてのお話です。
土地の評価額を確認する
何事もまずは現状把握が大切です。
公的な土地の評価方法としては、主に以下の3つがあります。
ア.固定資産税評価額
固定資産税の算出根拠となり、お住まいの市町村の納税通知書や評価証明書で確認できます。
一般に実勢価格の70%程度を目安に設定されていると言われています。
イ.相続税評価額(路線価、倍率評価)
国税庁が公表している路線価で主に確認します(郊外等では路線価が設定されておらず、上記固定資産税評価額の倍率が定められている場合もあります)。
同じく国税庁が出している土地評価明細書で計算してみましょう。
一般に実勢価格の80%程度を目安に設定されていると言われています。
ウ.公示地価
国土交通省が公表している公示地価で確認する方法。
実勢価格に近いといわれています。
相続人全員が納得できる評価額を目指す
上記のような公的な評価方法も参考にしながら、時には不動産業者や不動産鑑定士に査定を依頼して、相続人間で納得感のある価格をさぐります。
これは遺産分割協議ではもちろん、遺言を書く場合にも配慮した方がよいでしょう。
尚、不動産業者は一般に売却の仲介を目指して無料査定をするケースが多い為、純粋に相続の為に価格を知りたいだけであれば活用しない方が無難です。
遺言がなく、分割協議で合意できなければ、裁判所に調停を申し立てる必要がありますが、その場合、土地の評価については、裁判所が不動産鑑定士を選任し、その鑑定結果に準じて協議を進めていくことになります。
但し、鑑定費用は高額になることが多く、鑑定を求めた相続人が前もって納付する必要があるので、注意が必要です。
また、土地が誰かに賃借されている場合、土地だけの評価額よりも差し引いて評価されます。
簡易な方法として、更地価格に借地権割合を乗じて算出されることが一般的です。
国税庁が借地権割合を定めており、更地価格の約50~90%とされます。
困った時は専門家に相談を
不動産の評価は、現金や預貯金と違い複雑です。
・相続財産のなかに土地が多く含まれている場合
だけでなく、
・金融資産が少なく、主だった資産が自宅だけという場合
等、できるだけ早いうちに評価額を調べ、どうすれば公平かつ速やかな遺産分割ができるのかシミュレーションするなどして、事前に対策をとっておきましょう。
不動産に強い専門家に相談してもよいでしょう。
千葉市美浜区 行政書士キズナ法務事務所《絆コンサルティング》